音の風景



音の風景。



朝早くに走り出す。

戸越峠を越えて向かったのは,三箇町にある小さな峠。



舗装はされているけれど,枝葉が道に散乱する。

車も自転車も人もほとんど通らない。

これまでにも,軽トラとすれ違ったことが一度あるだけ。



細い谷筋を登っていく。



ウグイスを始めとして,さまざまな鳥が鳴いている。

その声に,見事なエコーがかかる。

すぐ向こう側に別の尾根があるので,音がよく反響するのだ。

聞き惚れるとは,まさにこのこと。



ホー ホケキョ

「キョ」 の音が尾を引いて朝の空気に溶け込んでいく。


17_0625_01.jpg







うち捨てられたようなバスタブに湧き水が貯められ,そこからあふれた水がしたたり落ちる。

なんとも可愛らしい水音。

耳元で聞こえているのではと錯覚するほど,はっきり聞こえる。




ダンシングできしむホイールの音。

わずかに聞こえるロードノイズ。



鳥の声がたくさんするけれど,残念ながら,種類が特定できるのはウグイスだけ。

谷渡りが聞こえる。



微妙に個体によって泣き方がちがう。

当然だけれど,個性があるのだ。

今日,聞こえてきたのは,今まで聴いたことがない感じの谷渡り。

Allegretto grazioso


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そして,何の鳥かは分からないけれど,進め,進めというような,元気のいい鳴き声も聞こえてきた。

こちらは, Alla marcia


17_0625_04.jpg


ようし,それに応えて,もう少し強度を上げるか。

鳥の名前が分かったら,もっと楽しいのに。







峠を下って場面が切り替わると,こんどは川のせせらぎ。

水の音って,どうしてこんなに気持ちがいいんだろうか。


17_0625_02.jpg



唐突だけれど,水の音がする目覚まし時計がほしい。




山の花も,緑も,とってもきれいだけれど,音もきれいだ。





先日の朝日新聞,「折々のことば」 欄にジャズ評論家の相倉久人の言葉が紹介されていた。


「聴く耳さえあれば,波の音や町の雑踏も立派に音楽として成立する」


仲間と走っているときは,その楽しいおしゃべりが美しい音楽となる。

一人で走っているときは,自然が奏でる音や,ロードバイクの発するわずかな音たちが最高の音楽になる。




額からしたたり落ちの汗が目にしみて痛いけれど,生きていることの幸せを感じる。






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Comments 4

カンパチ  

楽譜にできれば、もっと楽しいかも!

 リキさん、おはようございます。
 相変わらず、素晴らしい道を楽しまれているよう
ですね。ウグイスは、巣立ちしたばかりのオスは、
囀りが単調ですが(基本ホーホケキョのみ)だんだん
周りのオスの囀りを聞いてアレンジし始めるようです。
私の耳でははっきり解りませんが、地域によって囀り
にも訛りのような特徴があるそうです。
今は、ユーチューブのような動画が広まってるので
どの鳥がどのような囀りをするのか簡単に解るよう
になりました。
でも、囀りを楽譜におとせるのは、素晴らしいです。
 5~6月の山の音色を楽譜にできれば、最高でしょ
うね!

2017/06/28 (Wed) 07:56 | EDIT | REPLY |   

チャラン  

リキさん、おはようございます。
懐かしいモンブランで書いた私には暗号。(笑)
今の時期、早朝の森林は、自然のハーモニーで気持ちいいですね。
足を止め聴き入ります。

2017/06/28 (Wed) 08:58 | EDIT | REPLY |   

リキ  

カンパチ様

カンパチさん,こんばんは。

真似から入って,個性を伸ばす ── 人間の学びと同じ方法ですね!
う~ん,すごいことを知ってしまいました。
「鳥の声鑑賞ライド」をカンパチさんを講師に迎えて開催したいです。

2017/06/28 (Wed) 22:06 | EDIT | REPLY |   

リキ  

チャラン様

チャランさん,こんばんは。

十年ぶりに部屋の片付けをして発掘したモンブラン。
いまでは型落ちになってしまった普及品です。
レコードも,万年筆も,アナログが心地いい,今日この頃です。

2017/06/28 (Wed) 22:08 | EDIT | REPLY |   

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