その輝きをいつまでも



臨時漕会のセーテンさんが海外転勤となる。

そのお別れの会が開かれるというので,相生に行ってきた。

もちろん,自転車を持って。




会は夜だから,朝から走ることに。

セーテンさんが,ぼくの好きそうな道をと考えてくれたルートだ。

「いなちくロングライド」 のコースを基本にしているという。



集合場所は,道の駅 ひらふく。

17_0426_01.jpg


しかし,大阪で渋滞に遭ってしまい,30分も遅刻。

スミマセン。




この日は,ポカポカ陽気のサイクリング日和。

いっしょに走るメンバーは,初めていっしょに走る人もいるが,ぼくよりも 20~30 も若い人ばかり。

しかも,その話題に耳を傾けているといると

「今日は,TSS 300 ほど稼ぎたい」

と意味不明の言葉が飛び出す。

これはアカン人たちや,となぜか関西の言葉で小さくつぶやいてみる。


でも,年寄りなんだから,甘えてしまえばいい。

優しい人たちだということはよくわかっているから。






本当にいい日だった。

17_0426_02.jpg


暖かく,風も穏やか。

何より,道がいい。

ああ,気持ちがいい,と誰彼ということなく,みんながつぶやく。




車が少ない。

信号がない。

そして,春の山がどこまでもきれい。

17_0426_03.jpg




柔らかな緑がこんなにきれいな道は,そうそうあるものではない。

杉林ばかりになってしまった山には,色気というものがない。

さまざまな植物が混在しているからこそ,山は美しい。

17_0426_04.jpg



今日の仲間だってそうだ。

自転車の楽しみ方は,人それぞれにちがうことだろう。

それでも,こうしてひとつのグループになってひとつライドを楽しめるのがいい。




セーテンさんもそうだ。

ガシガシと踏んで視界から消えてしまうこともあるし,こうして,ぼくのところまで下りてきてくれて,いっしょにしゃべりながら走ってもくれる。

17_0426_05.jpg








ずっと登り基調の道。

少しずつ標高が上がっていく。



それに連れて,時計を巻き戻すかのように,季節が戻り始める。

17_0426_15.jpg


下界では,染井吉野が散っているのに,ここでは満開だ。

ヤマザクラも,赤い芽出しとともに美しい花が輝いている。

17_0426_08.jpg


春爛漫の中を登っていく。




しかし,季節の流れを遡るのは,標高を稼ぐことに等しい。

時の流れに逆らうのは,大きなエネルギーがいるのだ。

激流に逆らうがごとく,斜度のキツイ坂を登り続ける。



そしてたどり着いたのは,春まだ浅い ちくさ高原。

冬の名残の雪が,そこここに。

17_0426_17.jpg



車にジレを置いてきたことを激しく後悔した。

登ってくる仲間を待つ間が,寒くてたまらない。

日向にいても,風が冷たくてたまらない。

17_0426_10.jpg


もうすぐ5月になろうというのに,寒さに震えるとは。

アスファルトに座り込むと,その暖かさがじんわりと心地よいほどだ。





早くここから下りたい。

そう願っていたものの,いざ,仲間がそろって下り始めると,これまたつらい時間だった。



容赦なく冷たい風が体を突き抜けていく。

17_0426_11.jpg


時の流れの川下り。

季節が早送りで先に進む。



時の流れがぼくたちの背中を押してくる。

どんどんバイクが加速していくが,それとともに,冷たい風の痛さも加速する。





ようやく下界まで下りてきたが,冷えた体はなかなか温まらない。

そのせいか,下り基調の道をガンガン飛ばす。

無意識のうちに,ペダルに力を込めることで熱を生成しようとするのだろう。




あっという間に,みんなが先に行ってしまった。

スッとぼくの前に入ってくれた D さんが引いてくれるが,それでも,ふだん出すことのない速度がサイコンに表示される。



D さんの両手の平が,ひっきりなしにパタパタと開く。

「段差アリ」 の合図だ。

路面が決してスムーズとはいえない道を,この速度だ。

年寄りにはキツイ。

でも,なぜか,ヒャッホーッ と声を出したいくら気持ちがいい。




大原宿でほっと一息。

歴史を感じさせるいい町並み。

17_0426_12.jpg


でも,時間が押してきているので,通り過ぎる。

ぼくが,朝,30分も遅刻してきたせいだ。




こんどは,T崎 さんが引いてくれる。

レースで入賞するような人らしい。

交代で年寄りの面倒を見てくれて,うれしい。

ありがとうございます。




最後,セーテンさんが猛スピードで右側を駆け抜けていった。

この日のライドを一番楽しんだのは,もちろんセーテンさんだろう。



セーテンさんの出国まで,まだいっしょに走る機会はあるけれど,この日もいっしょに走れてよかった。

本当に楽しかった。

寒くてきつかったけれど (笑)












そして,夜の会。

多くの仲間が全国から集まって,楽しい宴となった。



セーテンさんのあいさつ。

17_0426_14.jpg


以前は,転勤してきた相生から少しでも早く戻りたいと思っていたのに,今は,ここを離れるのがつらいという。

自転車に出会って,すばらしい仲間と出会って,充実した時間を過ごした3年を思い,大粒の涙が止まらない。




季節の流れを遡ることはできても,時間を止めることはできない。

でも,別れを悲しむことはない。

楽しく,優しく生きていれば,幸せは必ず大きく広がっていく。



春に散る花びらや,秋に落ちる葉は,やがて自らの根に吸収されて,自分を育てるものとなる。

それと同じように,充実した時間がつまった思い出の数々は,しっかりと体にしみこみ,自らを豊かにする糧となる。




ハンカチで涙をぬぐうセーテンさんは,たしかに輝いていた。

その涙は,生きることの楽しさがあふれ出たものであるにちがいない。



そんな若い人たちのキラキラした輝きを見るのが好きだ。

その輝きを浴びて,ぼくももう少し元気に生きていきたいと思う。




17_0426_18.jpg




写真はこちらにも。







にほんブログ村 自転車ブログ ロードバイクへ








関連記事
スポンサーサイト

Comments 8

ディー  

リキさんおはようございます。
年齢に関係なく同じように体を動かして一緒に遊べる自転車っていいですね♪
この気持ちのいい若者たちといつまでも、出来るだけ近い目線で遊ぶために日々トレーニングに勤しんでます(笑)

「セーテンさんが帰って来た時にまた楽しく走れるように!」
またトレーニングをサボれない理由ができました(笑)

2017/04/27 (Thu) 08:31 | EDIT | REPLY |   

カンパチ  

大洋からの波調

 リキさん、こんにちは。
 言われるように、私も「輝き」に魅かれて
西播磨に通うようになったのかもしれません。
セーテンさんの大らかさに癒されることが度
々でしたから・・・
石谷輪業さんが新舞子の海岸べりでおっしゃてた
ように「この海は、マレーシアまで続いている」
地理的に距離はあっても繋がっていることには
かわらないんですね。

2017/04/27 (Thu) 12:52 | EDIT | REPLY |   

リキ  

ディー様

ディーさん,こんばんは。

先日は,年寄りを優しく牽いてくれてありがとうございました。

ぼくも同じ気持ちですよ。
二回り以上若い人たちといっしょに遊べるのはうれしいですね。
そのためにも,毎日ローラーです。
でも,ディーさんも十分にまだまだ若いですよ。
豪快に加速していく姿がカッコよかった!
憧れます。

2017/04/27 (Thu) 19:17 | EDIT | REPLY |   

リキ  

カンパチ様

カンパチさん,こんばんは。

物理的な距離はずいぶんあるのに,西播磨の人たちや,カンパチさんや,多くの人たちとけっこう深くつながっているのを感じます。
こうして,ネット上で言葉を交わすのがほとんどで,年に数回いっしょに走るだけなのに,不思議なものですね。
でも,それが,とっても幸せな関係です。

2017/04/27 (Thu) 19:22 | EDIT | REPLY |   

セーテン  

リキさん

素敵な記事と写真ありがとうございます!
当日はリキさんにお会いできて本当に嬉しかったです。

記事をみながら相生を離れたくないとまた涙を流してます。笑

ライドはたった100kmでしたが走りごたえがあって、目まぐるしく変わる季節を楽しめました。走れば走るほど良いところだなぁと改めて思いながら走ってました。

千種高原は寒い中、
自分だけジレ着てごめんなさい。笑

相生は第2のふるさと、
マレーシアも第3のふるさととなるように、
積極的になんでも飛び込んでチャレンジしていこうと思います。

今度はマレーシアでお待ちしてますね!!

2017/04/30 (Sun) 07:17 | EDIT | REPLY |   

リキ  

セーテン様

セーテンさん,こんにちは。

セーテンさんの会には,何をおいても参加したかったです。
しかし,当日現れたメンバーを見て,「ヤバイ」という表現がぴったりだと思いました。
でも,みんな優しくしてくれてうれしかったし,なにより,セーテンさんとゆっくり話しながら走れてよかったです。
いい旅になりました。

「マレーシアでお待ちしてます」って…,(笑)

2017/05/01 (Mon) 11:28 | EDIT | REPLY |   

うさうさ  

タイトル

初めまして。読み始めの者です。まだ時々ですが…。
10枚目、ほぼ中央あたり、森林の中から竜が出てきてます。木をつらぬいて行こうとしている途中でする。顔面の真ん中あたりが、その木にかくれて見えずらいですが…。
道の左側に立っている森林に、大きな目があります。
偶然とはいえ特に竜がはっきり写るのは珍しいのではと思います。素晴らしいです。どちらも自然界の守神ですよ。

2017/05/05 (Fri) 04:09 | EDIT | REPLY |   

リキ  

うさうさ様

うさうささん,こんばんは。

スミマセン。
目をこらして写真を見たのですが,どうしてもわかりませんでした。
年寄りなもんで,目がすっかり弱ってきています。

2017/05/05 (Fri) 22:33 | EDIT | REPLY |   

Leave a reply