体幹を鍛えることの意味


前回は,ニュートンの第1法則である,慣性の法則のことを書いてみました。

今回は,動力学の第3法則である,作用・反作用の法則について書こうと思います。

【作用・反作用とは】

中学校の時,理科の先生が,この法則を教えてくれたのですが,それが今でも記憶に残っています。

とつぜん,先生は黒板を平手でたたきました。大きな音がしました。
みんなビックリしました。
先生はこう言いました。

「今,先生は黒板をたたきました。それと同じ力で黒板も先生の手に力を加えるんです。これが,作用・反作用の法則です。だから,先生の手も痛いんです」

しかし,ぼくは,こう思ったんです。

「え? 先生の手が痛かったのは,黒板を思い切りたたいたからでしょ。そんな法則,どう関係してるの?」

これを理解するのに,15年ほど時間がかかりました。

このようにイメージして,初めて理解できました。

先生の手が黒板をたたく → 黒板は,瞬間的にごくわずかへこむ → その次の瞬間,へこんだ部分が急速にもどってくる → もどってきた黒板が手に当たる → 「痛い!」

これが,作用・反作用の法則の中でおこっていることです。


【ダンシングと作用・反作用】

さて,ロードバイク。

ペダルに対して,足で,下向きの力(F)を加えると,足も,ペダルから反作用の力(F’)を受けます。

力と反力


もし,ペダルが動かなかったら,逆に体の方が反作用の力で浮き上がります。
これは,地面を思い切り蹴飛ばしたら,ジャンプすることになるのと同じ理屈です。

ふつうは,軽くペダルが動いてくれるので,ペダルから足へ反作用の力が加わっていることは実感しにくいのです。

でも,これは,意識しておいた方がいいです。

たとえば,思い切りペダルを踏むと,ペダルからも足に同じ力を及ぼしてくるので,膝に大きな負担がかかるのです。


自転車には,ダンシングという漕ぎ方があります。
これも,反作用の力と関係しています。

急な坂道では,ペダルが動きにくいです。
そこで,ペダルに大きな力を加えると,反作用の力も大きくなるので,体が浮いてしまいます。これが,ダンシングです。

あれは,意識的にやっているようで,実は,そうならざるを得ないのです。

急坂では,ペダルが動きにくいので,反作用の力は体を持ち上げるように作用するのです。ですから,それに素直に従うと,ダンシングになるのです。

130419_3.jpg


大きな力を加える必要がないシッティングのときには,ペダルからの反作用の力は,サドルから下の体の重さで対応できます。

先日,専務道場で,「足の重さを自然に利用してペダルを踏む」というレクチャーがありましたが,まさに,これですね。

ところが,急坂では,足の重さだけでは対応しにくくなります。

そこで,体全体の重さで,ペダルからの反作用の力に耐えようとするのがダンシングなのです。


【体幹の筋肉と作用・反作用】

クルマに乗っているとき,何気なくハンドルを回していますが,ハンドルを回すときにも,ハンドルから手に反作用の力が働きます。

もし,立っているだけの状態で,ハンドルを回そうとしたら,体が固定されていないので,なかなかスムーズに回せないことでしょう。

体がシートに固定されていると,反作用の力で体が動いてしまうことなく,スムーズにハンドルを回すことができます。

何かに力を加えるときには,体が固定されている方が,効率的に力を加えることができるのです。「体を固定すること」が重要なのです。

じつは,これが,「体幹を鍛える」ということと関係しています。

ペダルを大きな力で踏むと,反作用の力も大きく体に加わるので,自分自身の体重と,ハンドルをにぎることで体を固定しないと,効率的にペダルに力を加えられません。

しかし,いくら体重があっても,いくらハンドルを力強く握っても,上半身と下半身をつなぐ位置にある体幹がしっかりしていなければ,ペダルの反作用の力を上半身でうまく受け止められません。

理想はこんな感じです ──

しっかりした体幹の筋肉で,上半身をうまく安定させ,ペダルからの反作用の力を,効率的に受け止める。

書いていて気づきました。
これ,sennmu さんの後ろ姿そのものではありませんか。

130419_2.jpg


やっぱりね。すごい人は,理にかなっているんですね。


体幹の筋肉では、自転車は漕げません。

下半身に加わった反作用の力を,全身で受け止めるために,体幹の筋肉たちに手伝ってもらう ── これが,体幹を鍛えることの,力学的な答えです。

もちろん,これが,体幹を鍛えることのすべての意味ではないと思いますので,念のため,お断りしておきます。

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Comments 8

チャップリン  

タイトル

rikiさん、おはようございます!

本日、朝練実行
モリゾ-先生に教えていただいた、座ってダンシング?・・・・・・むつかしい!
こんな感じかな?・・・・・・・おもろい、笑える。
笑いながら練習(まるで変態)、誰かに見られたら通報されるので早々に切り上げました。(@_@;)

そこでrikiさんのブログ拝見、先に見ておけば良かった、sennmu師匠参考にします!

2013/04/20 (Sat) 08:50 | EDIT | REPLY |   

riki  

チャップリン様

チャップリンさん,こんにちは!
笑いながら練習ですか。いいですね~。
sennmu さんの座ったままダンシングはかっこよかったです。
肩が平行のまま,スッスッとリズミカルに左右に移動するんです。
まるで楽しげに踊っているようで,これが本当にダンシング。

2013/04/20 (Sat) 12:01 | EDIT | REPLY |   

おばさん  

タイトル

キツイ坂を上がっている時 ヨイショ!ヨイショ!とハンドルを引きながら上ります。でも、引くたびに 右にフラフラ 左にフラフラ(>_<) 正に 体幹がしっかりしていない証拠ですね!(T ^ T)
脇を締め 体幹らしき物をf^_^;)意識しただけで 少し 蛇行が治まった様に思いますf^_^;)
最近 肘たて伏せ 始めました(^_−)
お年頃は 大変なのヨ…p(^_^)q

2013/04/20 (Sat) 13:49 | EDIT | REPLY |   

ひろ父  

タイトル

こんにちわ。
いつもタイムリーな記事をありがとうございます♪

膝への負担を考えてやっと本格的に取り組み始めた「引き足」「回すペダリング」ですが、開始早々に違いを実感しています。
膝が楽~♪もっと早くやっときゃよかった(笑)

同じく体幹が弱いというのも実感したので、まずは腹筋ということで時間を見つけては腹筋しています。
・・・先日昼休みに実行中に、職場の事務の女の子に見つかってとても驚かれましたが(笑)

2013/04/20 (Sat) 16:46 | EDIT | REPLY |   

riki  

おばさん様

すごいですね~。がんばってますね~。
体幹を鍛えるなら,腕立て伏せの姿勢を,肘で支えるようにして,そのままキープするのもいいですヨ。肩,おしり,かかとが一直線になるようにね。20秒キープできたら,合格!

お年頃ですから,がんばりましょう!

2013/04/20 (Sat) 19:46 | EDIT | REPLY |   

riki  

ひろ父様

体幹は,腹筋背筋だけじゃなくて,そのほかの細かい筋肉がいろいろあるので,その全体を,腕,足の筋肉と連携させて鍛えるのがいいようです。

ハードな運動じゃないので,けっこう長続きします。

それにしても,昼休みに腹筋とは,そうとうモチベーションが高い状態ですね~!

2013/04/20 (Sat) 19:49 | EDIT | REPLY |   

おばさん  

タイトル

それそれ(^_−)−☆ 私は勝手に 肘たて伏せと名付けてます(*^^*)
1分×2本 頑張ってるでしょ?(^_−)−☆

2013/04/20 (Sat) 20:26 | EDIT | REPLY |   

riki  

おばさん様

え? 1分を2本…。

負けた…。 すごい!

いや,負けないぞ~! がんばる!

2013/04/20 (Sat) 20:46 | EDIT | REPLY |   

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