富士ヒル参戦記 (2)



さて,レース前日の夜は,早々に部屋の電気が消えました。


その少し前,わずかな時間でしたが,おしゃべりタイムもありました。

クレイジートレインの皆さんの話題はというと,レースにベストコンディションで臨むための様々なアイテム。

アヤシゲなクスリやら,よく意味のわからないアブラやら。


しかし,トレーニング以外でも 「できることはすべてやる」 という姿勢には感心するばかり。

さすがです。





そして当日朝,真っ暗な部屋の中で準備が始まりました。

枕元の時計をみると,まだ3時過ぎです。

さすがに 「クレイジートレイン」 のみなさんです。

レース準備に余念がありません。


ぐずぐずするのが得意な僕はついて行けません。



とはいうものの,ゴール地点に運び上げてもらうための荷物受付締切は6時10分ですから,それまでに会場に入らなければなりません。

さあ,準備,準備。




部屋の窓から外を見ると,見事な朝焼けに染まる富士が見えました。

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昨年とちがって,いいお天気になりそうです。




バイクの準備をして外へ出ると,ひんやりとした空気感に身が引き締まります。

といっても寒いほどではなく,湿度の低い空気はとてもさわやかです。



会場へはいると,今度は独特の緊張感と高揚感が感じられました。

参加者の方々の 「さあやるぞ」 という表情だったり,「楽しみ!」 という顔だったり,仲間と笑いあっている人たちがいたり,大人たちの偉大なるお楽しみイベントです。

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スタート時間別の列に並んでいると,ブログによくコメントをくださる MOON さんが声をかけてくれました。

そういえば,会場へ向かう道では,臨時漕会の hiro さんと偶然出会って挨拶をしました。

普段はネット上でのやりとりをしている人たちと,こうして実際に会うことができるのも,イベントの楽しみの一つです。




体調はばっちり。

今年は 4月からかなり忙しい毎日でしたが,トレーニングもそれなりにはしてきました。

目標にしている1時間半切りは,かなり難しいとは思うものの,昨年のタイムは絶対に更新できるだろうと思っていました。



スタートのバルーンゲートを越えると心拍が急にあがりました。

ここから計測開始地点まで,少し距離があります。

いっしょにいたこーさんはあっという間に見えなくなりました。



ぼくは,足が回るようになるまで少し時間がかかるので,焦らずにマイペースで登ります。



5km 地点まではやや斜度の高い区間です。

少し脚が重いのが気になりました。

調子は悪くないはずなのですが…。



そういえば,昨年は仕事が終わって家に帰るとすぐにローラーを回していました。

今年はというと,家に帰るとしばらくソファでぐったりしていることが多いんです。

明らかに今年の方が忙しくて,疲れはたまっています。



まあ,そんなことも影響しているのかなと思いつつ,ギアをもう一枚軽くしようかと右手を動かしてシフトしようとすると,



あれ?

すでにギアを使い切っていました。



え?

そこまで,調子が悪いのか…



と,股の間から後ろのギアをみると,驚愕の事実が明らかに!




25T のスプロケでした!




先日,雨沢を登ったときに,25T で挑戦しました。

その方がタイムが出ると思ったからです。

しかし,さすがに富士ヒルは 24km の長丁場ですから,27T にする予定だったのです。

ところが,雨沢を登っている間にチェーン落ちのアクシデントから,チェーンが曲がってしまうというトラブルに発展。

あわてて立ち寄った せとしなのサイクルで,変速調整やチェーン交換を済ませて,すっかり 「バイクの準備は万全だ」 と思いこんでしまっていたのです。

タイヤのチェックも,スプロケ交換もすっかり頭から抜け落ちていました。






あとの後悔先に立たず。


もう,これで行くしかしかありません。

小さな歯が 2枚ちがうだけですからね,何とかなるでしょ。

この期に及んで,ノー天気!(笑)





と・こ・ろ・が…



この小さな歯 2枚の差の大きさにこのあと苦しみます。






少し斜度の上がる区間では,脚が重くて重くて,どんどん速度が下がってきます。

昨年登ったときには,もう少し周りの景色を見る余裕もあったのですが,今年はサイコンの数字と,自分の走るラインしか見ていませんでした。



途中,後ろからかなりの速度で登ってきた方が 「ブログ読んでます!」 と声をかけてくださいました。

その声で,狭かった視界が急に広がったような気がしました。

やはり,相当苦しかったんだと思います。

我に返って,

「回すペダリング!」「上半身の脱力!」

と自分に声をかけることで,走りが少し楽になりました。



しかし,しばらくするとまた

苦しくなってきて悪くなる → 応援などをきっかけに我に返る,

を繰り返しました。




そういう点で,沿道の応援はありがたかったです。


地元の方々が大きな声で 「がんばれ~!」 と手を振ってくださっていましたね。

水着に近いようなユニフォーム! のお姉さんが手を振ってくれていました。

自転車のジャージを着た人が,バッハの無伴奏チェロ組曲を演奏してくれていました。

にぎやかな太鼓の演奏も腹に響きました。




しかし,脚の重さは何ともなりませんでした。

キツイキツイ。



そしてついには,左のふくらはぎに違和感が出始めました。

明らかに攣る前兆です。



終盤に現れるはずの平坦区間が待ち遠しかったこと。

どれだけ登っても平坦区間にたどり着かない苦しさは,今思い出しても胸が苦しくなります。



やっとたどり着いた平坦区間は,本来ガンガン踏んでいかなければならないところですが,怖くて踏めません。

そ~っと加速していって,なんとか 30km/h くらいまで踏みましたが,それ以上は無理でした。



そして,最後のゴール前は,完全な失速。

ビキビキと言い始めて痛くなってきた左ふくらはぎをかばい,ほぼ右足だけの力で登りました。


次々と抜かされていきました。

止まりそうになりながら,ゴール!



こーさんの声が聞こえたものの,まともに返事をすることもできませんでした。


歩くとふくらはぎがピクピクします。




結果は,昨年よりも 2分タイムを落としての41分台。

絶対に短縮できると思っていただけにショックです。



一方,着実にトレーニングを積んできた こーさんは見事に 90分切り!

山P さんも余裕のブロンズ獲得です。

おめでとう!




悔しい思いもありますが,登り終えて,しばらくみんなと話をしていると 「ああ,楽しかった」 という気分になれるのはなぜでしょう。

不思議なものです。

あんなに苦しかったのに,ゴールして10分程度で 「ああ,楽しかった」 になるんですから,あきれてしまいます。





富士山頂を目の前にして,ものすごい数の自転車乗りがいます。

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色とりどりのジャージの花が咲いています。





また,来年も登りたい。




下山の列に並ぶと,木々の色がまるで新緑でした。

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この高度になると,6月はまだ新緑の季節なのでしょうか。



こんな美しい道を登ってきたはずなのに,一切視界には入りませんでした。

心が洗われるような色です。

透き通った空の色とともに,目にしみます。




去年の下山はつらかったです。

寒いくて,指が痛くて,ブレーキを握る手がしびれました。



今年は気温が高めなので,楽でした。





下りが怖い僕は,ゆっくりゆっくり下るので,すべての人に追い抜かれ,結果,単独下山です。


下山の集団内では,ロードノイズやラチェット音がひっきりなしに聞こえるのですが,一人になると静かなものです。

鳥や春ゼミの鳴き声以外は,本当に静かで,耳元に風切り音がするだけです。


急に富士山という深い自然の中にいる自分が感じられて,本当に気持ちがよかったです。



左側に一カ所だけある展望台駐車場でバイクを止め,ブレーキを握るのに疲れた手を休めました。

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少し霞んでいましたが,眼下には河口湖周辺の町がよく見えました。

山はいいですね。






会場まで降りてくると,ケンさんが待っていてくれて,みんなのいる場所を教えてくれました。


SHOROs ジャージを発見したので行ってみると,みんなすでに,下山した後のご褒美,吉田うどんを食べた後でした。

ここでいただく吉田うどんはうまいです。

ふつうのイベントだと,小さな器にちょろっと入っている程度ですが,ここでは,しっかりとした量の一玉です。

堅めの麺と濃いめの塩味が,走ってきた体にしみ渡ります。



なんでも,これを3杯,4杯食とべた仲間もいるようで (笑)





そして今回も,宿にもどってゆったりと温泉。

たまりませんね。




いい旅でした。

いっしょに旅してくれた皆さん,ありがとう。

また,来年も行きましょう!



こーさん,「目標は達成したから来年はもう降りる」 は無しだからね!











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Comments 8

まっちゃん  

タイトル

ギアをもう1枚軽くしようと操作しても固くて動かない。故障かなとギアを見て最後の1枚を使っていたと分かった瞬間のショックは大きいですね。

なんか、財布に千円札とともに万札が1枚残っていたと思い込んでいて、いざ支払いの時によく見るとそれが5千円札だったりした時のガックリした気分と似ているナと思うのは私だけですかネ。

2016/07/02 (Sat) 13:36 | EDIT | REPLY |   

ダイズ  

その「アヤシゲなクスリ」と「意味のわからんアブラ」を取り入れていればあるいは…\(^o^)/

次は遠慮無くお申し付けください(笑)

2016/07/02 (Sat) 13:51 | EDIT | REPLY |   

MOON  

タイトル

リキさん意外とそそっかしいですね~(笑)

自分は今回初めての参加で試走も無し。。。完全に舐めてますね^^;

もうペースもへったくれもありませんでした。いきなり心拍全開で飛出し脚売切れ!

という黄金のたれが炸裂しちゃいましたorz

もう悔しくて悔しくて逃げるように下山したので

登りも下りも景色を楽しむ余裕なんてありませんでした^^;

来年はもうちょっと心に余裕持ってリベンジしたいと思います。

メロンパン食べたかった~


2016/07/02 (Sat) 14:29 | EDIT | REPLY |   

Yoshi  

タイトル

こんばんは。

当方も後半の平坦区間でアウターに入れた事を忘れてアウターのまま

ゴールしてしまいました。

お互いそそっかしいですね。

雨沢をホームグラウンドにしている為、是非一緒に上って

みたいです。

2016/07/03 (Sun) 02:15 | EDIT | REPLY |   

リキ  

まっちゃん様

まっちゃんさん,おはようございます。

あのショックは大きいですね。
朝練の帰り,モーニングを食べて,所持金が0だったことに気づいたときのショックよりは小さいですけどね。
あのときは,心臓が止まりそうでした(笑)

2016/07/03 (Sun) 09:02 | EDIT | REPLY |   

リキ  

ダイズ様

ダイちゃん,おはようございます。

ちょっと怖いですけれど,「できることはすべてやる」 ── やっぱりこの精神が必要ですね。
よろしくお願いします(笑)

2016/07/03 (Sun) 09:04 | EDIT | REPLY |   

リキ  

MOON 様

MOON さん,おはようございます。

はい,実は「意外と」ではなく,そそっかしいんです。
準備も走りも綿密さが必要だとつくづく思いましたが,自分にはそれがありません。
まあ,楽しむのが一番ですけれど,自分の力を出し切って楽しみたいと思っています。

あ,メロンパン,食べ忘れた(笑)

2016/07/03 (Sun) 09:06 | EDIT | REPLY |   

リキ  

Yoshi 様

Yoshiさん,おはようございます。

あらら,私のうっかりとはレベルがちがいますね。
ぼくにはアウターでゴール前は走れませんよ。

雨沢でジイチャンが登っていたら,声かけてください。

2016/07/03 (Sun) 09:08 | EDIT | REPLY |   

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