瀬戸内を走る 牛窓・前島 その1



「牛窓に行ってみたい」 とのリクエストをコギコギさんがかなえてくれることになった。


牛窓。

自転車コギコギ日記を読んでいなければ,知ることがなかったかもしれない町だ。




牛窓ライドを計画した日,7月19日は残念ながら,雨雲が垂れ込めるお天気になってしまった。

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日生 (ひなせ) 港に集合したものの,自転車で出発するのは断念。

まあ,傘差して牛窓の町を散歩しようと車で行くことにした。

ところが,運のいいことに,牛窓が近づくとお天気が好転。

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やったー!

車からバイクを降ろす時の気持ちといったら,もう。




牛窓。

コギコギさんの文章からは 「レトロな日本的風情の残された町」 という印象が強く伝わってくる。

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アルファベットがちりばめられたロードバイクにまたがり,和風とは縁遠い自転車用のジャージを身にまとった者が,日本的な風情を語るのは何とも似つかわしくないか。


それでも,ここ牛窓はいいところだ。

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ぼくらが見て回るところには,ほとんど観光客らしき人はいなかった。

それでも,行く先々で 「あ,またあの二人だ」 と,同じ若いカップルに出会った。デートでこういう雰囲気を楽しんで回るとは,あの子たち,ちょっとセンスがいいなと思ったりする。



こういう町並みをいいなと思うのは,歳を取ったからだろうか。

それとも,日本人の感性に訴えるところがあるからだろうか。

ぼくの住んでいる近くからはほとんど失われてしまったものがここにある。



とくに計画したわけではない道を走り,地元のおばちゃんのオススメにしたがって坂を登る。

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狭い路地を抜けていくのがおもしろい。

その先にあった風景も忘れがたいものだった。

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次はここへ入ってみよう,あの階段を上ったらどうなっているだろう。

そんな楽しみ方もおもしろい。

自転車ならではの時間の使い方,道の選び方。



そんな延長線上に,「あの島に渡ってみようか」 があった。

牛窓の目の前にある島,前島 (まえじま) へ。

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フェリーで5分の船旅らしい。

自転車往復の料金は 360円という気楽さ。




自転車を船に持ち込むのは初めての経験だ。

たった5分なのに,別世界へワープするかのような船にゆられる気分は何とも言えないワクワクに満ちたものだった。



前島に渡ったものの,はて,どこへ行くかは決まっているはずもない。

地図を頼りに冒険旅行の始まりだ。

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車は走っていないし,人も歩いていない。


とりあえず走る。

分かれ道に出たら,カンで決める。

島だから,当然のように道は登っていく。

登る。

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高い場所に出たら海の景色がきれいに見えるのではないか,との期待は裏切られなかった。




おお~,と声が上がる。

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立ち止まって海を見る。

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また登る。

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先に登っていったコギコギさんたちが下りてきて,

「この先の展望台は,歩いて行くしかないよ」 と教えてくれた。



まあ,とりあえず上まで登るかと行ってみると,

自転車では行けない道につながっていて,

「展望台,徒歩5分」 との看板があった。



5分か。

ま,せっかくだから行ってみようかとバイクを置いて登り始める。



途中,大阪城築城のための石切場跡があった。

ここで花崗岩を切り出して,船で運んだのだろう。



そこで写真を撮っていると,

「おお~!」 という歓声が上から聞こえてきた。

先に登っていったダイちゃんたちだ。




あの声からは,すばらしい景色が見えたに違いない。

急いでぼくも登った。

記念写真をみんなで撮っているらしい声も聞こえてくる。




「徒歩5分」 は意外に長かった。



上り詰めると,木製の展望台があった。

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「リキさん,三国の展望台がかすみますよ!」

と,上から声がかかる。




こんな小さな島に,すばらしい景色が待っていてくれた。




瀬戸内海に浮かぶ小さな島々。

その向こうには明日走る予定の小豆島が見える。

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それらの間を満たしている穏やかな海。

足下から海に伸びていく前島の複雑な海岸線。

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右手の方を見れば,先ほど走っていた牛窓の町。

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青い空に白い雲。

海と島,空と雲。

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とりわけ,雨が心配されるお天気だった空は,小さな雲がちりばめられ方が絶妙だ。

島の緑は,多様な植生を示すかのような彩り。

海の色は,白の絵の具をまぜたようなおだやかさ。



目の前に大きく広がる絵とぼくらの間に吹き渡る風。

汗をかいて登ってきたからこそ感じられる特別な清涼感。



ときおりツバメがすーっと目の前を横切っていく。


このすばらしさに,しばらくの間饒舌だったみんなが,次第に静かになっていく。


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ああ,いいところへ来た。



── つづく









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Comments 6

カンパチ  

リキ、帰る!

 リキさん、おはようございます。

 時間が止まったような牛窓の風景、どこか
懐かしい、肩の力が抜けていくような・・・

そして、久々の「モーツァルト・モード」

リキさん、おかえりなさい!

2015/07/30 (Thu) 08:47 | EDIT | REPLY |   

ワタル  

ポケットにガーミン

こんばんわリキさん。
ダイズさんが言った通り、リキさんの言葉は良いですね。あの日のことが思い出されます。ホントにいいところでした(^-^)



追伸 なんかものすごーくいい写真を撮っていただいたみたいで、写真もらってもいいでしょうか?

2015/07/30 (Thu) 21:35 | EDIT | REPLY |   

リキ  

カンパチ様

カンパチさん,こんばんは。

ただいま~。
帰ってきました。
まさに「時間が止まってような」ところでした。
いいものです。
肩の力も足の力も抜けました(笑)

2015/07/30 (Thu) 23:17 | EDIT | REPLY |   

リキ  

ワタル様

ワタルさん,こんばんは。

ありがとうございます。

ワタルさんの写真,なかなかいいでしょ。
って,本人に言うか!
表情がいいですよね。うれしそう,楽しそう!
明日の記事には,大きい写真のリンクを張りますので,そちらからダウンロードしてください。

2015/07/30 (Thu) 23:19 | EDIT | REPLY |   

晃司  

タイトル

すっごい綺麗な景色ですね♪
モーツアルト的な風景・・・
20年程前に友達とドライブに行ったっきり訪れてないですが、お正月に帰省した時に行ってこようかな?

あっ、先週このブログで教えていただいた小幡緑地に行ってきました!
木漏れ日が気持ち良かったです♪

2015/07/31 (Fri) 10:02 | EDIT | REPLY |   

リキ  

晃司様

晃司さん,こんにちは。

いいところでしたよ~。
自転車でゆったり走るのにぴったりです。

小幡緑地は,この季節ちょっと走りたくなったときにぴったりです。
都市部では日陰を走れるところが少ないですからね。

2015/07/31 (Fri) 10:38 | EDIT | REPLY |   

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