クリスマスローズの夢
先週末,きつね谷へ行ってきた。
きつね谷というのは,家内の先輩が,広大な自宅の敷地内に作ってきた自然園だ。
退職してから20数年をかけて,もともとあった谷や野山を整備してきた。
園内には小さな谷川が流れ,春にはカタクリ,夏にはササユリ,秋にはさまざまな紅葉とみのり。

( 2019年6月 )
園内には,小さな道が走り,四阿 (あずまや) があり,膨大な数の陶人形が,まるで十人のようにそこかしこに並んでいる。

( 2019年6月 )
自然を愛する人がゆっくりと楽しめる場所にしたいという園主さんの願いが,さまざまなところに感じられるけれど,けっして 「自然らしさ」 が失われていないところがすてきだ。


( 2019年6月 )
この自然園,深い山の中にあるのではなく,町外れの山にあって,すぐとなりには大病院があり,車通りもけっこうある。
その道と自然園を隔てる斜面は堤防のような形の土手で隔てられているが,
「この斜面も,多くの人が楽しめるものにしたい」
と園主さんは考えている。
そこで始めたのが,土手一面にクリスマスローズを植えるという計画だ。
タネをまいて苗を育て,それを土手に植えていく。
200mもある土手すべてをクリスマスローズでおおうという計画は,老夫婦にはなかなか骨の折れる作業だ。
毎年,数百におよぶ数の苗を育て,少しずつ植えていく。
現在は半分ほど植えられていて,5分の1ほどは開花するまでに育ってきている。

しかし,その作業も停滞を余儀なくされた。
園主さんの病気が発見され,入院治療とともに,退院してからも負担の多い作業ができなくなっているからだ。
それでも,園主さん,「私に時間がないのなら,何かを残したい」 と,闘病記を執筆したり,きつね谷をどのように育ててきたかの記録を書き残したり,ついには,きつね谷を題材にした絵本まで出版した。
そのパワフルな活動ぶりは,とても重い病気を抱えている人とは思えないものがある。
そんなきつね谷へ,クリスマスローズの苗を植えるお手伝いに行ってきた。
石がゴロゴロと出てくる地面は,凍結していてカチカチだ。
そこに苗を植える穴を掘って,園芸用の土を少し入れ,苗を植える。
3人で作業して,2時間で10mほど進んだだろうか。
さすがに恵那は冷える。
風も冷たい。
指先が痛くなった。
それでも,ふと作業してきたところを振り返ると,だいぶ進んでなと思えてうれしくなる。
母屋へ戻ると,手作りの五平餅が焼かれていてご馳走になった。
すてきな生き方をしている人の夢のお手伝いができたと思うと,すごくうれしかった。
きつね谷を少し散歩した。
谷の目立たないところに,ひっそりと一株だけ,茜色のクリスマスローズが咲いていた。

もう少しでカタクリの季節がやってくる。
また,来よう。

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